■radio head 


radio head & me

ファーストはクリープ以外はピンとくるものがなかった。とにかく、ニルヴァーナと比較されているバンドは、片っ端から聴くという当時のスタイルじゃ、彼らの良さはわからなかった。レディオヘッドは、唯一無二のバンドと気づくにはまだ早すぎたのだろう。
今までのアルバムを聴いていくと、その進化の過程はまさに奇跡に近い。こちらの期待を良い意味で裏切り続け、さらにクオリティの高いものに挑戦し、結果を出す。こんなバンド他にはビートルズぐらいじゃないのか。しかも、ちゃんとロックバンドとしてライブで再現してみせるんだからな。
今でもレディオヘッドは進化し続けている。過去のレディオヘッドの作品を聴いてぺとーんと沈んでいる自分なんかは100万光年の彼方に置き去りにして。沈みっぱなしは簡単だからね。ぼそっとトムに言われそう。
リアルタイムでレディヘッドのアルバムが聴ける幸運とは、ビートルズの奇跡の進化をレディヘッドで追体験できることに他ならない。パンクの追体験をニルヴァーナ&USオルタナ勃興時期でしたように。
2004/06/03

radio head live!

4.18。念願叶って、レディヘッドのライブを体験した。会場(&バカ客)が悪いとか音が小さいとか色々な問題もあったけど、とにかくそれらも飲み込むくらい、今まで見たライブとはスケールの違いすら感じる圧倒的な存在感。これに尽きるな。演奏が巧いというのは、ある程度織り込み済みであったが殆どプログレバンドの領域だったし、トムのボーカルも以前聴いたライブ盤やライブビデオと違い非常に安定していて、完璧に近い歌(EXIT MUSICは鳥肌もの)を披露していた。「OK コンピュター」以前の曲も、「KID A」以降の曲も全てが、バンドの音として演奏されている。特に昔の曲は、こんなにも力強かっただろうかと思うくらいに強力であった。2回目のアンコールで演奏した「PLANET TELEX」のイントロは、ヘタなヘヴィロックバンドよりヘヴィだったし、コーラス部は、シューゲーザーバンド並の美しいノイズをまき散らしていた。そしてラストの「EVERYTHING IN ITS RIGHT PLACE」では、完全なカオスでトランス状態。観ていた場所はそれほど良い場所じゃなかったが、これほどまでに、レディオヘッドのライブに興奮させられるとは思っても見なかった。
後ろのあんちゃんが最後にクリープをねだっていた。気持ちは分かるが、今回のライブに「CREEP」は不似合いだと感じた。今回のトムを観ていたら「俺はいじけ虫〜」って歌う姿が想像がつかなったのだ。以前は敢えて歌わないよう封印していた節があったが、今は違う。「CREEP」を歌わない・歌うを選択できる余裕が彼にはあるような気がしてならない。多分トムも単に「CREEP」を歌う雰囲気にならなかったから、歌わなかっただけなのだろう。そんな雰囲気を共有できたのもなんだか嬉しいものだ(こっちの勘違いかもしれないが・笑)。現代ロックシーン最高峰バンドの呼び名は伊達じゃないな、やっぱり。
2004/04/19(2004/06/05一部加筆修正)